境界性パーソナリティ障害(BPD)を考える

境界性パーソナリティ障害に関するインターネット上の言説を整理しています。

境界性パーソナリティ障害を治すことと人との関わり

この記事は境界性パーソナリティ障害を自覚し、改善に向けて努力している方に向けた記事です。特定のどなたかを指したものでもなければ、誰かを中傷しよう として書く記事ではありません。境界性パーソナリティ障害についての正しい理解とも限りません。あくまでインターネット上の意見の一つとして読んで下さ い。

今回は、境界性パーソナリティ障害を治すことと人との関わりについて私の思うところを述べます。

まずは病院での治療を再優先してほしい

「治療」というと語弊があるかもしれません。私は、境界性パーソナリティ障害というのは、感情の調節や対人関係のスキルがちょっと、あるいはだいぶ、人より苦手である、というだけだと思っています。
つまり、適切な訓練が少し遅れた結果、苦しい思いをしている、というのであれば、適切な訓練をすればいいということになります。
そのために必要なことは、まずは病院での適切な指導です。前回の記事などでも書いたように、弁証法行動療法認知行動療法など、様々な療法がありますし、大きなメンタルクリニックであれば、境界性パーソナリティ障害を扱ってくれないというような事態は減りつつあると言えます。なぜなら、人口に占める境界性パーソナリティ障害の方の割合は増しているからです。

ですから、このブログでも繰り返し述べているように、まずは境界性パーソナリティ障害であるということを自覚できることが寛解への第一歩となります。
次に、境界性パーソナリティ障害は数ヶ月とか1年で直るものではありません。このことを理解して下さい。少しずつ少しずつ、時間をかけて改善させていくものです。治療の途中には苦しいこともあるかもしれません。ただし、その後に開ける世界は必ずや良い物になっているはずです。

私が思うに、境界性パーソナリティ障害の方の中には自分の感情の調節困難に途中まで立ち向かいつつも、周囲から「良くなってきた」「もう境界性パーソナリティ障害と思えない」と言われることで、自信を付けてしまい、その瞬間からまた悪化が始まる方がいると思います。
気を抜くとすぐに悪化していくのが、境界性パーソナリティ障害です。通院については、医療関係者が良いというまで絶対に自己判断で中断しないことが重要です。どんなに信頼できなくなっても、自己判断でやめてはいけません。やめたくなっている、という事実も、医療関係者に伝えるのが良い場合もあります。
しばらくは、「自分の心の思うがままに生きる」と考えず、社会や友人、恋人とうまく調和することを第一に考えて下さい。じつは、それが長期的に見るとあなたの為になっているからです。心の思うがままに生きることで、今まで失敗してきたこともあったはずです。

境界性パーソナリティ障害の方は人と関わるべきか

境界性パーソナリティ障害の方は人と関わるべきか、というのは難しいテーマです。
境界性パーソナリティ障害の方は、知らず知らずのうちに人を傷つけてしまったり、あるいはご自分が傷ついたり、ということを繰り返しています。
人と関わった時、容易に想像できるのは、また人を傷つけたり傷ついたりを繰り返すであろう、ということです。
しかしながら、自分で必死に抑えることがなんとかできるならば、私は境界性パーソナリティ障害の方のできる範囲内で、正確に言えば、境界性パーソナリティ障害の方ができると思っていることの半分の力ぐらいを使って、人と少しずつ関わっていくことを始めるべきだと思います。
ただし、その場合にも、自分が社会のルール、人間関係のルールに従って行くことが重要である、ということを忘れないで下さい。
人と関わることは、自分の対人関係スキルと感情調節スキルをトレーニングすることだということを常に意識してください。
そうしながら、反省したこと、困っていることをしっかりとメンタルクリニックなど専門の機関で話し合っていくようにして下さい。
そうしていくうちに、少しずつ社会にまた受け入れられるようになっていくはずです。