境界性パーソナリティ障害(BPD)を考える

境界性パーソナリティ障害に関するインターネット上の言説を整理しています。

境界性パーソナリティ障害(BPD)を持つ人への「承認」の重要性

 

境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ -家族、友人、パートナー、のための実践的アドバイス

境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ -家族、友人、パートナー、のための実践的アドバイス

 

お久しぶりです。最近、更新が滞っていました。
今回は、境界性パーソナリティ障害(感情調節困難)を持つ方とより良く関係を築いていこうとする方向けの記事になります。実際に境界性パーソナリティ障害を抱えている方は、他の記事を読んでみてください。

上の「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」から、「承認」について抜粋したいと思います。気になる方はぜひ書籍を買って読んでみてください。大変な良書だと、わたしは思います。

承認の重要性

人間は皆、人から影響を受けています。その影響をより良いものにするのに非常に重要なのが、「承認」であると本書では述べています。

承認は、どのような関わりの中でも用いる事ができ、感情を対処可能なレベルまで下げ、交友関係を実り多い軌道に載せることができ、大変有益な行動になります。

逆に、「否定」について考えてみましょう。境界性パーソナリティ障害(以下、BPD)の方は、対処困難な感情を抱えています。そこで、「そんな風に感じるべきではないよ」とか、真摯な対応なしに「はいはい」と片付けてしまったら、どうでしょう?BPDの方でなくても、悲しい思いをすることは想像できるかな、と思います。

ここでいう承認とは、「同意」とは少し違います。ここでいう承認は、BPDを抱える人の行動や感情の中で、理解可能な行動を見つけたら、それに共感の意思を伝えるということです。

このことは、何もBPDの方に限ったことではなく、人間関係をうまくやっていくということの中で非常に重要なことです。あなたの気持ちは、うまく伝えないと伝わらないのです。

誠実に向き合うことが大事

今、うまく伝えないと、と述べました。ここで言う「うまく」承認するとは、何も、心にも思っていないようなことを無理に承認することではありません。そんなことをしても、お互いに悲しいだけです。本書では、承認を6つのレベルに分けて解説しているのですが、ここで決定的に重要になる承認の鍵は、誠実であることです。

声の調子が親のようであったり、恩着せがましい承認というのは、人を傷つけたり不快にさせます。相手に誠実であることが、特に精神的に疲弊しているときには、本当に難しいことであることはわかります。ですが、あなたが本当に関係を築いていきたい、愛する人に対処するとき、見下したり、いわば「ナメて扱ったり」しないように、自分自身を振り返って見てください。BPDの方をBPDだからと言って、見下した扱いをすることは一番良くないことなのです。BPDの方を、一度病気のレッテルを外して、一人の人間として見る、ということを、ぜひトレーニングしてみてください。これは、言い換えると、愛する人に対しても他の誰かに話す時と同様に話す、ということでもあります。

話が長くなるので、ここで一度切ります。次回以降に機会があれば、先ほど少し紹介した、承認のレベルについて詳しく取り上げます。これは、マーシャ・リハネンの弁証的行動療法に基づくもので、承認を6つのレベルに分け、制御不能に見える感情をうまくコントロールできるようにする、というものです。もし気になる方は、先に本書を読んでみることをおすすめします。

 

境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ -家族、友人、パートナー、のための実践的アドバイス

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